野球人口減少でプロ野球はどうなる
長らく日本スポーツ界に置いてダントツの競技人口を誇ってきた野球でしたが、Jリーグ開幕やW杯によるサッカー人口の拡大など、他のスポーツ人気の影響を受け、年々競技人口が減っています。
それに危機感を感じたプロ野球選手が公の場で発言するなど、未来の野球を巡って関心が高まりつつあります。
代表的なのが、横浜DeNAベイスターズに所属する筒香嘉智選手でしょう。
日本外国特派員協会で会見した筒香選手は、アマチュア野球の勝利至上主義からの脱却や高校野球に級数制限を設けることを提案するなど、子ども視点の人材育成システムの必要性を指摘しました。
筒香選手が言うように野球人口は本当に減っているのでしょうか。実は少子化のペースよりも速いペースで減少していることがデータで指摘されています。2016年10月に発表されたスポーツ少年団現況調査報告書(2002~2014年)の登録データ数によると、軟式野球の団員数は2009年の約18万人をピークに2014年の約13万人まで減少していることがわかりました。
ピーク時を100%とした増減率では79.4%になっており、他のスポーツも含めた増減率平均とほぼ同じですが、サッカー比較すると約10%低く、競技人口においても約1万5000人ほど差をつけられ逆転されているのです。
長らく指摘されている野球とサッカーの逆転減少がここでもはっきりとした形で現れています。
軟式野球は小学生にとって野球の登竜門となっており、この競技人口が減少すると中学生野球や高校野球に影響することは避けられません。
また大学生や社会人野球、そしてプロ野球へと連鎖反応するように影響が広がり、秀でた人材が減少するのではないかと懸念されているのです。
このような競技人口減少に対して声を上げているのは、筒香選手だけではありません。同年代でありメジャープレイヤーとなった菊池雄星選手もあとに続くように競技人口の減少に対して発言しています。
プロ野球選手も危機感を持つ競技人口減少に打つ手はあるのでしょうか。プロ・アマチュアの対策が求められています。