プロ野球の投手は球速はレベルアップし球種も激増

野球ボール

プロ野球の花形ポジションである投手ですが、2000年代で目覚ましいレベルアップが起きています。トレーニング科学の発展や栄養学の普及によって投手の身体は全体的に大きくなり、球の回転を解析するシステムが発達したことによって、どんな変化をしてどんな効果が期待される球なのかを把握しやすくなりました。その結果、150km/hを計測する投手は決して珍しくなくなり、新たな変化球が次々に開発されているという投手というポジションの革命が起こったのです。

平成の怪物、と名高い松坂大輔投手が初登板した際、スタンドは彼の球速を見てどよめきました。その球速148km/hは決して遅いボールではありませんが、2010年代では高卒の新人でも150km/hを計測する投手は珍しくない時代となりました。松坂大輔投手よりも体格のいい投手がたくさんいることも一要因でしたが、ボールが伸びていくために必要なスピンをかける、リリースのタイミングや回転軸などに研究がされ、松坂投手の時代よりも球の質が大幅に向上しているのが現代のプロ野球です。変化球を武器にする投手すら、140km/h台後半を叩き出す時代なのです。

また、球種もそれに伴って激増しています。これまでは変化の方向によって大まかにスライダー、カーブやフォークなどの名前を付けていた変化球ですが、落ちるボールでもフォークより速いスプリッター、遅いパームボールなどの変化球が登場しました。ほぼ同じ原理で変化していながら、その変化量や球速がコントロールされ、また情報を伝達するメディアが発達したことで変化球の投げ方やコツを多くの選手が知ることとなりました。プロ野球は技術革新が起こるたびに、より高い次元で戦う舞台へとステップアップしていくのでしょう。